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自社の活動履歴の「可視化」から繋がる、他社へのDX支援

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ストーリー

自社の活動履歴の「可視化」から繋がる、他社へのDX支援

さがみはら産業創造センター様

2023.11.17

『さがみはら産業創造センター』は創業初期段階の起業者や、中小企業の新分野進出に向けた支援を目的に、全国に約300箇所展開されているインキュベーション施設の1つ。 現在は2つの拠点内にある3つの建屋に計150室のラボ・オフィスを有し、個人や中小企業に向けて事務所スペースの提供と円滑な事業展開に向けた“伴走支援”を行っている。今回はスタートアップ企業へのDX支援の前に実施した、自社のDX本格実用化への取り組みについて同社のインキュベーション・マネージャーである片山さんと、パートナーである社外コンサルタントインキュベーション・アドバイザー奥村さんにお話を伺った。

より質の高いサービスを提供するために、支援内容のデータベース化を目指す

さがみはら産業創造センターインキュベーション・マネージャー片山さん(左)と社外コンサルタントインキュベーション・アドバイザーの奥村さん(右)

現在『さがみはら産業創造センター』では、9名のインキュベーションマネージャーが研究開発型ベンチャーなど約100社に対して、様々な支援活動を行っている。現在、活動内容を社内で共有するためにkintoneを使用したデータベース化を進めているが、以前はアナログな手法を用いていた。

「私たちは入居しているスタートアップ企業の支援をメインに、関連するセミナーを開催したり、行政から受託した業務を行ったりと幅広い事業を展開しています。
DX化を進めようと思ったのは、質の高い支援サービスを入居企業の皆さんにお届けするため。以前は、インキュベーションマネージャー一人ひとりがどのような活動を行っているかは、口頭での報告や日報の提出で、1対1のコミュニケーションになりオープンになっていなかった。誰がどの企業にどのような手法で支援を行っているかをデータベース化し共有することは、実は支援内容の“トレンド”を知るきっかけになります。そしてそれらを把握するということは、入居企業が必要とする情報を的確なタイミングで提供できたり、ニーズの高いセミナーを開催できたり…といった支援の質の向上にもつながるのです。“今、支援先の企業は何を必要としているのか”をいち早く知るためにも、データベース化は急務だと考えていました」と片山さんは教えてくれた。

さらに今回のDX化は片山さんの中で、若手の育成という意味も込められているようで──。
「若い人たちは上の人間に質問するよりも、データや情報を読み解くことが得意ですよね。だから自由に検索できるように過去の仕事をデータ化し、オープンにしておくことは、より良い支援事例を吸収するいい機会にもなるのではないかと思ったんです」。
さがみはら産業創造センターにとってのDX化は、より一層、入居企業へ寄り添う組織へ進化するための新しい第一歩だったのだ。

プロの導入支援で、DX化の速度が上がる

現在、社内で運用しているkintoneを使った日報のアプリの構成は至ってシンプルに。kintoneの浸透を図るためだ。面談は「対面」「オンライン」「電話」「メール」から選択し、相談内容は「補助金」「販路開拓」「事業計画」「人材」など約15の支援カテゴリーからチェック。支援内容のみ詳細をメモに入力するようにし、できるだけ操作のハードルを下げた。



「私が日報のデータベース化を進める際にkintoneを選んだ理由は、直感的にいじれて簡単に操作できるイメージがあったらからです。10年ほど前にサイボウズの方が営業に来てくれたときは、kintoneを使って何をすべきかが明確に定まっていなかったので、そのままになってしまいました。
今回は、「日報をデータベース化したい」というテーマがはっきりしたからこそ、進められたのだと思います。プロジェクトを開始した当初、サイボウズの無料導入支援サポートを利用したのですが、あっという間に4回が終わってしまって。継続的なサポートが必要だと感じていたところ、ロケットスタートさんをご紹介いただいきました」と片山さんは当時を振り返る。

自身が中心となりデータベース化を進めてきた片山さんだが、プロによる導入支援はどのような点にメリットを感じているのだろうか。

「疑問に対して、的確な答えをすぐに出してくれるところですね。自分たちでやっていると、本来kintone では無理なことでも“他の方法があるのでは”と試行錯誤して時間をかけてしまいますが、プロはスパッと判断してくれて、無理な場合は代替案を教えてくれます。あと月1回のサポートがあると思うと、人ってサボらないんです。もう少しでロケスタさんとのミーティングがあるからやらなきゃ…と、ギリギリですが作業を進められています(笑)」。

 

そして本プロジェクトにおける片山さんの右腕ともいえるのが、外部コンサルタントの奥村さんだ。別エリアのインキュベーション施設に勤務していた経験を活かし、入居企業の支援と同時にデータベース化もサポートしている。

「もともとはkintoneを触った経験はなく、昨年10月、片山さんに“手伝って”と言われて急いで勉強し始めました(笑)。支援内容を入力するフォームのベースをつくったのですが、工夫したのは面談や相談内容の選択肢を実務に則したものにすること。インキュベーションマネージャーならではの視点を盛り込んだことで、使いやすいものになったのではないでしょうか。今は自分でも企業訪問をしながら、リアルタイムで日報をどんどん打ち込んでいます」と奥村さんは楽しそうに教えてくれた。

データベース化の経験を活かして入居企業を支援。目指すは脱Excel!

実は奥村さんには、今回のデータベース化を通じて生まれた1つの想いがある。
事務所スペースの提供はハード支援、インキュベーションの支援はソフト支援というのですが、数多くの施設でソフト支援に関して、履歴がデータベース化されていないことも少なくなく、可視化が必要だと感じています。今回の活動について他の施設の人から詳しく教えてほしいと言われているんですよ。データをもとにした説得力のあるサポートを「当たり前」にしていきたいですね。

 

そして今後、中小企業の支援の一環としてDX化を数多くサポートしていく同社だが、課題に感じていることはあるのだろうか。片山さんに話を聞いてみた。

「中小企業の方にkintoneって便利ですよと言っているのですが、社内にDX化に興味がある人がいないと“データベースってなんぞや”で話が止まってしまいます。ベストなのは経営者の方が興味を持っていること。しかし、指向性のあるスタッフさんが社長に起案できる会社であればさらに、導入が上手くいく印象があります。
DXというと皆さん非常に難しいものに感じがちですよね。でも、きっちりとデータベース化されていれば、Excelやスプレッドシートよりも欲しいデータをサッと見つけられますし、データベースのプラットフォームを使った方が業務効率は確実にアップします。
DX化」と言葉にするだけでは進まない。私たちは「何をどう効率化していきたいのか」、ストーリーを一緒に描く必要があるかもしれません。完璧なシステムを求める感覚の払拭も重要です。kintoneは業務内容の変化に合わせて柔軟に対応できるのが最大のメリット。“100個ある課題のうち、3つだけでもまずは自走させるぞ!”そんな気軽な気持ちで取り組んでみることをオススメします。kintoneでできないこともあるのですが、その場合は知恵を絞る。そうすると業務フロー自体を見直すきっかけになる場合もあり結果業務効率化に繋がるんです」。

自社の案件を通じて身につけた知識と経験をベースに、二人はこれからもたくさんの中小企業の成長を支えつづけるのだろう。

 

■kintone伴走DX

株式会社ロケットスタートホールディングスのITチームはkintone導入後の伴走DXサービス「iTanto(アイタント)」をご提供しています。
kintone導入後の、さらなる強化・活用についてお困りの方は、お気軽にご相談ください!

<編集後記>

今回の取材で心に残っているのは、「日報をデータベース化しようと方向が定まったら、その後の動きが明確になった」という片山さんの言葉だ。たとえばkintoneが車だとする。走り出すことはできても、目的地を設定しなければゴールには辿り着けないし、知らない場所で迷いつづけるかもしれない。そして辿り着けたとしても、ほとんどの場合がたくさんの時間とガソリンを消費しているだろう。DX化で何を実現したいかを考えるのはドライブの目的地を決めるようなものであり、それが決まれば自ずと最短ルートも見えてくるはずだ。
ライター:中野 文香

<取材協力>

さがみはら産業創造センター
252-0131 神奈川県相模原市緑区西橋本5-4-21
https://www.sic-sagamihara.jp/

<取材>

株式会社ロケットスタートホールディングス

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