ここ数年で、企業と求職者の関係性は大きく変わりました。
これまでは「企業が選ぶ」立場だったのが、今では「求職者も企業を選ぶ」時代に。
特に“面接”は、単なる選考ではなく、お互いを知るための“対話の場”として注目されるようになっています。
背景には、採用活動そのものが企業ブランドに直結するようになったという流れがあります。
リクルートや Indeed Japanが実施した調査でも、「面接中のやりとりから企業の誠実さや価値観が伝わる」という結果が出ています。
売り手市場が続く今、面接は「選ぶ側」だけではなく「選ばれる側」であるという視点も必要です。
せっかくご縁があって応募してくれた求職者との関係を、面接の印象が理由で失ってしまうのはもったいないですよね。
この記事では、最近の面接における“おすすめの姿勢”や“ちょっとしたコツ”をご紹介します。
「最近の採用ってこうなってるんだな」と感じていただけるような、気づきのヒントになれば嬉しいです。
引用:HR NOTE【大学生就職活動調査第4回】これからの採用コミュニケーションとは|リクルートマネジメントソリューションズ
https://hrnote.jp/contents/saiyo-rms-2025repo-4-20250319/(※2025年3月4日)
まず知っておきたいのが、「聞いてはいけない質問」があるということです。
「そんなの当然でしょ」と思われる方も多いかもしれませんが、ちょっとした会話の中でうっかり…というケースも少なくありません。
たとえばこんな内容はNGとされています。
家族構成や結婚予定など、プライベートに関わること 宗教や信条、性別、年齢、容姿に関すること(例:「見た目で判断するような発言」) 雑談やアイスブレイクのつもりでも、相手を不安にさせたり、不快に感じさせてしまう可能性があるんです。
だからこそ、「ちょっとした言葉」も慎重に扱うことが大切です。
★POINT★
「公正な採用」と「安心して話せる空気づくり」—どちらも求職者が“この会社で働きたい”と思えるかに直結します。
さて、ここでQ&A形式で確認してみましょう。
Q1:「ご結婚の予定はありますか?」
→ ❌ NG(ライフプランに関わる質問は避けるべきです)
Q2:「学生時代に一番頑張ったことを教えてください」
→ ✅ OK(過去の経験から価値観や行動傾向を探る意図が明確)
Q3:「兄弟はいますか?」
→ ❌ NG(家族構成の質問は基本的にNGです)
Q4:「前職を辞めた理由を教えてください」
→ ✅ OK(転職理由は確認して問題ない項目です)
Q5:「若いのにしっかりしていますね!」
→ ❌ NG(年齢に基づいた評価はNG)
Q6:「この業界は女性には厳しいかもしれませんが…」
→ ❌ NG(性別による先入観は禁物です)
…いかがでしたか? 「わかっていたつもり」でも、改めて振り返るとヒヤリとする項目もあったかもしれません。
引用:リクルートダイレクトスカウト求人企業様向けガイドラインより一部抜粋 https://ats.hrtech.rikunabi.com/announce/cl/guideline.pdf
※Ver.1.8(2025年4月1日)
今の求職者は、「条件が良い」だけでは動きません。
「どんな人と働くのか」「どんなふうに成長できそうか」といった、“働く環境そのもの”を重視する傾向にあります。
だからこそ面接では、「優秀かどうか」だけではなく、「この人と未来をつくれるか?」という視点を持つことが大切です。
面接の場は、企業にとっても、未来の仲間と出会い、対話するための大切な時間。
選考というよりも、お互いが“理解し合う場”として捉えることで、候補者との関係性も大きく変わってきます。
面接当日にお互いがお互いを知るための準備として、書類を読み込みます。
求職者の合否に関わらず「この会社の面接を受けて良かった、勉強になった、楽しかった、ワクワクした」そのような体験を与えることが企業のブランディングに繋がるとロケスタは考えています。
特に次の2つを意識すると、面接の質がぐっと上がります
・志望動機だけでなく「転職理由」にも丁寧に向き合う
・面接官ごとの判断にブレが出ないように、評価基準をすり合わせておく
求職者が何を大切にしていて、どんな未来を描いているのかを知るためには、“共感的に訊く姿勢”が不可欠です。
たとえば、うなずきながら相槌を打つ、相手の言葉を繰り返して確認する…といった姿勢だけでも、相手の緊張が和らぎます。
アイスブレイクの工夫もポイントです。
「堅くならずに話してもらえる空気感」をつくることが、候補者の本音を引き出す第一歩です。
そして面接時の重要ポイントは、求職者への働きたい意思へのエントリーを高めること。
まずは本人からどうなりたいのか?何が実現していきたいか?を訊き、そこから実現できるか?を対話していく。
求職者は、詰問のような面接に敏感です。
答えるばかりで、自分のことを知ってもらえない―― そんな面接では「この会社、なんか違うな」と思われてしまうことも。
双方向の“対話”が大切です。 質問だけでなく、「あなたの会社の魅力」も伝えていきましょう。
面接後のフィードバックやコミュニケーションのあり方も、実は求職者にとっての印象を大きく左右します。
「どこに惹かれたか」「どんな話が印象に残ったか」など、ポジティブな観点から面接官同士で共有するだけでも、次に活かせる学びが増えます。
また、合否連絡も一方通行で終わらせず、「なぜこの判断になったのか」を丁寧に伝えるだけで、求職者の納得感はまったく違ってきます。
引用:Indeed,応募者が選考を辞退した本当の理由とはhttps://jp.indeed.com/%E6%B1%82%E4%BA%BA%E5%BA%83%E5%91%8A/c/info/the-reasons-of-decline-the-offer
(※2023年8月2日)
面接は、企業の価値観や姿勢がにじみ出る「企業の顔」のようなものです。
ちょっとした意識の変化で、求職者との関係性や印象は大きく変わります。
「何を話すか」より、「どう訊き、どう向き合うか」。
面接を、「求職者の未来を一緒に考える場」だと思えるような、そんな会社が増えるといいなと思っています。
とはいえ、「正直これでいいのかわからない…」と感じながら面接を進めている方も多いのではないでしょうか。
特に、専任の人事担当者がいない企業や、現場のメンバーが面接を兼任しているような体制だと、改善の方向性に迷うこともあるかと思います。
そんなときは、ぜひ私たちにご相談ください。
ロケスタでは、企業の“人事部の一員”のような立場で、面接の改善・設計のサポートを行っています。
たとえば… 面接の質問設計や評価軸のすり合わせ、面接官向けトレーニングの実施、候補者体験の設計見直し等。
実際に、面接を通じたマッチング精度が上がったり、辞退率が下がったという声も多くいただいています。
こうしたサポートを、私たちは「採用エンジン」というサービスでご提供しています。
現場の面接に一緒に入り、仕組みとして支援していく。
それが私たちのスタンスです。
「最近の採用ってこうなってるんだな」「ちょっと話を聞いてみたいな」
—— そんな風に思っていただけたなら、ぜひ一度、資料をご覧ください。