公開日: 2024年02月06日 / 更新日: 2024年07月17日
柔軟性と拡張性が何よりありがたいkintoneですが「アプリ同士のデータをもっと高度に連携させることができたらいいのにな・・・」とか「他のクラウドサービスとの連携ってできるんだろうか?」などと疑問に思ったことはありませんか?
実はkintoneにはAPIという仕組みが用意されており、このAPIを使ってアプリ同士のデータを連携させたり、他のクラウドサービスと連携させることができます。
ちなみにAPIの読み方は「あぴ」ではなく「エーピーアイ」。
うまく使いこなせればkintone活用レベルもさらにもう一段アップ。
さらにJavaScriptカスタマイズの際にもkintoneで用意されているAPIを使ってカスタマイズします。 ではAPIを使うとどんなことができるのか?さらにAPIを使う時の注意点など、丁寧に見ていくことにしましょう。
APIとは「アプリケーション・プログラミング・インタフェース(Application Programming Interface)」の略で、平たくいうと異なるソフトウェアの間でデータをやり取りしたりお互いにコミュニケーションを取ったりするための仕組みのことです。
技術的な専門用語としては幅広い意味で使われることが多いですが、この記事ではkintoneのAPIと出てきた時には「kintoneのデータベースに外部からアクセスする仕組み」のことと捉えて頂けると理解して頂きやすいかと思います。
もう少し分かりやすい例えを使うと、例えば市役所や区役所で何かの申請をするときに決まった用紙に決まった方法で申請内容を書いて、決められた窓口に行きますよね?
それと少し似ているかもしれません。申請用紙と申請窓口をセットにしたものがAPIだ、と考えるとイメージしやすいと思います。
例えば以下のようなケースでAPIを通してデータのやり取りがなされています
・kintoneとkintone以外のサービスの間でデータ連携をする場合(Garoonもkintone以外のサービスに含まれます)
・kintoneプラグインや拡張サービスがkintoneアプリデータにアクセスする場合
・kintoneアプリに自前でJavaScriptプログラムを書いてカスタマイズする場合
kintoneに外部サービスやエンジニアが自前で書いたプログラムからkintoneアプリのデータにアクセスしようとする場合、kintone側で「このルールを守ってデータにアクセスしてください」という決まりを用意してくれています。
逆にいうとこのルールを守らないとkintoneのデータにはアクセスできないようになっているんです。つまりAPIがkintoneデータの窓口役としての役割を果たしてくれていると考えると分かりやすいと思います。
例えばkintone以外のサービスからkintoneアプリ上のデータを取得しようとする場合、まずAPIのルールに従って「これこれの条件のデータをください」というリクエスト(つまり「申請」または「依頼」のこと)をkintoneのサーバーに送ります。その時にkintone からは決められたフォーマットでリクエストを返信してくれます。
このAPIの返信のことをレスポンスと呼びます。つまり「反応」のことですが、日本語でも砕けた言い方ですが誰かから返事がない時に「レスがない」みたいに言いますよね。その「レス」は「レスポンス」の略。
このレスポンスのフォーマットは公開されているので、kintoneと連携するプログラムを作るプログラマーは、そのフォーマットにしたがってレスポンスデータを解析することができます。
このAPIの仕組みのおかげで kintoneは外部サービスとの連携にとても強いのが特徴。
一例を挙げるだけでも
・GMail
・Google Drive(スプレッドシートなどにも対応)
・LINE
・Slack
・Chatwork
・Garoon
・Googleカレンダー
・sansan
・MoneyFoward
・freeeサイン
といった広く使われているSaasサービスとの連携が可能。
また、APIを利用した幅広いプラグインや拡張機能サービスも用意されているのが便利ポイント。さらにはYoomやBizTex ConnectようなPaasサービスとの連携も可能なため、フレキシブルな運用設計が可能となっています。
kintoneのAPIについて調べようとすると「kintone REST API」という言葉が出てきたり「kintone JavaScript API」という言葉が出てきたり「APIトークン」という言葉が出てきたりで、どれも専門的な言葉なので頭の中が「???」となってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
この用語についてまずは簡単に説明していきたいと思いますが、混乱しそうになったときは基本としての先ほどご説明した点を是非思い出して下さい。
つまり、APIとは市役所や区役所で申請を行う時の申請用紙と申請窓口をセットにししたもの、というイメージです。
今回ご説明する用語はまずは3つ。
・kintone REST API
・kintone JavaScript API
・APIトークン
まずはざっくりといってしまうとこんな感じです。
・kintone REST API … kintoneのデータベースにアクセスするための窓口
・kintone JavaScript API … kintoneをJavaScriptでカスタマイズするための便利な道具箱。kintone JavaScript APIはkintone画面とプログラミングの橋渡し役をしてくれる。
・APIトークン … kintoneのデータにアクセスするためのビザ付きパスポート
実際に使ってみて初めて理解できることも多いので、まずはざっくりとイメージを掴んでいただければ!
RESTは「REpresentational State Transfer」の頭文字。かなり専門的なことになるのでここでは詳細を省きますがRESTというのはAPIを設計するためのとある設計基準の名前です。
専門家の皆さんが「これこれの条件を満たすAPIを作れたらトラブルが少ないし効率的にデータを処理できる」というAPIが満たすべき条件を考えて下さってそれにRESTという名前をつけました。これを守ってAPIを設計したらいいよ、という条件のリストのようなものです。
つまり「REST API」というのは「REST」という条件のリストを満たしたAPIのこと。
なので平たくいうと「kintone REST API」は「kintoneのデータにアクセスするためにREST規格で設計されたAPI」という感じです。
このkintone REST APIを使うとエンジニアはHTTPリクエストという仕組みを使ってkintoneのデータにアクセスすることになります。そしてAPIを通してのkintoneデータベースからのレスポンスはJSONというデータ形式で返ってきます。
HTTPリクエストというと何やら難しそうですが、ブラウザがWebページをサーバーから読み込む時に使われているコミュニケーション方法なので、意識していなくても仕事や趣味などでWebページを見るときは裏でこの仕組みが必ず動いています。
「kintone REST API」が用意されているおかげでWebブラウザ上で動作するWebアプリからkintoneのデータにアクセスするということがとても簡単に実装できるようになっています。
Webブラウザで動作するクラウドサービス(SaaSサービス)とも相性がいいですし、kintoneのアプリ同士を連携したプログラムを簡単に組めるのも「kintone REST API」のおかげです。
さてこれまでkintone APIとは「kintoneのデータにアクセスするための仕組みあるいは窓口のようなもの」という例えで話を進めてきました。
ところが「kintone JavaScript API」で使われているAPIという言葉の意味はもう少し意味が広いんです。簡単にいうとkintoneをJavaScriptでカスタマイズするための部品(パーツ)が集まったものだと考えてください。つまり道具箱です。
そして実際にkintoneとデータをやり取りするときには先ほどご説明した「kintone REST API」が使われています。
「kintone JavaScript API」が活躍するのは例えば、kintoneアプリの編集画面が表示されたタイミングで特定の処理を走らせたいという時。あるいはkintoneアプリのあるフィールドの値が変わったときに特定の処理を走らせたいというときなど。
プログラミング用語ではこうした何かの処理のきっかけになるアプリ側の動作をイベントと呼びます。Webページで一般的なのはボタンクリック時イベントなどですが、kintoneの場合は「レコード画面表示時イベント」「フィールド編集時イベント」などがあります。
「kintone JavaScript API」はそれらのイベントが発生したときの処理を書くためのルールを用意してくれているので、そのルールに従ってJavaScriptで処理を書きます。
kintone画面に対して何かの操作を実装できるのも、この「kintone JavaScript API」のおかげで、例えば特定のフィールドを編集不可にしたり、何かの値をフィールドにセットしたり。そうしたことを可能にしてくれているのです。
さらに活用事例としてはスペースフィールドに自前のボタンを設置するときに活躍するのも「kintone JavaScript API」。あるいはプロセス管理を設定している場合、 kintone JavaScript APIを使えばレコードのステータスをプログラムで変更することも可能。
そしてこの「kintone JavaScript API」を使って簡単に「kintone REST API」も呼び出せるようになっています。
つまり、kintone JavaScript APIはkintone画面とプログラミングの橋渡し役的な存在。
例えば先ほどの例えになりますが、市役所で何かの申請をする度に、毎回指定された決まりに沿ってエクセルで申請用紙を自作しないといけないとしたらどうでしょうか?エクセル操作になれた人でも申請書類をエクセルで作成する度に毎回ルールや法律を詳しく確認しないといけなかったりで、かなり大変になるはず。
でもありがたいことに市役所にいけば大体の書類は揃っています。こちらは決まったところに決まった内容を書くだけ。
それと少し似ているかもしれません。
kintone JavaScript APIの認証方法と権限についてもご説明します。 kintoneアプリから別のアプリのデータにアクセスするために「kintone JavaScript API」を使えば特に設定せずともログインユーザーの認証情報を使って認証が行われます。
kintone REST APIでは認証に使われたユーザーの権限がそのまま引き継がれるようになっています。
そして「kintone JavaScript API」を使う場合、特に設定を変更しない限り、ログインユーザーが閲覧権限のないデータはプログラミングを使っても取得することができませんし、ログインユーザーが編集権限のないアプリのデータをJavaScriptを使って更新することもできません。
これはJavaScriptを使ってkintoneカスタマイズする時にうっかりミスしやすいポイントです。
「なぜかプログラムが思ったように動かない・・・」と思って、いろいろコードを見てもおかしなところはないし・・・という場合にはアプリの権限を確認してみましょう。
特に「エンジニアには権限があるけど、他の一般ユーザーさんには権限がない」という場合は開発しているエンジニアさんの環境ではエラーが出なかったりしますので見落としやすい点です。
そのあたり注意しながらkintoneの設計・開発をしていきましょう。
ここでエンジニア系の方へちょっとだけ専門的な話です。プログラミングの処理には同期処理と非同期処理というものがあります。
この二つの違いが大事になるのが時間のかかる処理をする時。例えばkintoneアプリからAPIを使って大量のレコードをとってきて、そのレコードデータをもとに集計処理をするとします。
同期処理で書いてしまうと、命令した処理を次々と実行していくので「kintoneアプリからデータを取得してくれ」という命令をした直後に集計処理が走ってしまいます。つまり、集計処理が走るタイミングでは集計元のデータがありません。意味のないプログラムになってしまうんです。
なので、kintoneからデータを取得し終わるのをきちんと待ってから次の処理をするようにしてもらう。これが非同期処理です。
kintone JavaScript APIは非同期処理にも対応しているので、例えば画面保存のタイミングの処理でこうした非同期処理の実装が可能です。
例えばkintoneレコードを保存したタイミングで関連している別のアプリの対応レコードを編集して画面が切り替わる前に「処理が完了しました」のメッセージを出す、みたいなことが可能なのはkintone JavaScript APIが非同期処理にも対応しているからです。
もし対応していないとすると、APIを通して他のアプリレコードの編集リクエストを投げたタイミングで、そのレスポンスにかかわりなく次の処理に進んでしまいます。
非同期処理に対応しているイベントは公式APIリファレンスを調べる必要があります。
公式リファレンスには各イベントの説明がありますが例えばこちらのレコード編集イベントのページでは、下のように「どのタイミングでどのイベントが発生するか」の一覧表がありますが「Promise対応」の項目に「○」がついているイベントが非同期処理に対応しています。
kintone REST APIではkintoneのデータを管理するサーバーの負担を減らすためにリクエスト数などに関して一定の制限があるので、APIを使ったシステムの設計や開発の際にはこれらの制限を必ず考慮するようにしましょう。
kintone REST APIでは一括取得や一括更新機能が用意されていますが、一度のリクエストで取得したり更新したりできるレコード件数の上限が100件までとなっています。
しかし実際には101件以上のデータをひとつのアプリから取得したいケースがほとんどです。
そのため、101件以上のレコードを取得する場合は100件単位のデータ取得を連続して行うことでこの制限を回避します。
kintoneには1日あたりのリクエストの上限があります。1日に実行できるAPIリクエスト数が1アプリにつき10,000件までです。
特にデータ量が多いアプリを集計するプログラムでは大量のデータの一括取得が何回も発生することがあるためこの点も覚えておきましょう。
例えばあるアプリからAPIを使ってレコードを取得するプログラムを作ったとします。その場合一括取得機能を使えば1リクエストで100件取得できますので、1日に100リクエストが上限ということになります。
ところが10,000件のレコードがあるアプリのすべてのレコードを取得するプログラムを書いたとすると、100*100=10,000なので一回の処理で1日の上限に達してしまうことになります。
またレコードの取得や登録件数はここまで多くなくてもユーザーさんが何百人もいて、同じアプリを使うケースではこの上限が問題になることがあります。
kintoneシステム管理から各アプリのAPIリクエスト数を知ることができるので、リクエスト数が多い場合には上限に達しそうになっていないか確認してみましょう。
またkintoneの開発設計をする際にもこの上限を念頭にいれて設計することが不可欠です。
またkintone API には「kintone REST API 同時接続数(以下 API 同時接続数)」の上限もあります。 API 同時接続数とは、kintone サーバー内で処理されているAPI のリクエストの数のことですが、kintoneは1ドメインにつき100という制限があります。
この上限値を超えると、REST API の実行時に HTTP ステータスコード 429のレスポンスが返ってきます。つまりエラーになって処理がなされません。
例えば同時に100個のアプリで「kintone REST API」を使ったリクエストが発生するとこの状況になります。
JavaScriptでカスタマイズしてアプリ間連携を実装した場合など、ユーザーさんの数が多い場合は特に注意したい点になります。
参考:kintone REST API 同時接続数の制限値はなぜあるのか
さて次にご説明するのが「APIトークン」。kintoneでAPIトークンを設定すると何桁あるのか分からない程長い英数字の羅列なんですが、これはいったい?
簡単言って仕舞えば通行許可証みたいなもの。
あるいは駅前で何か屋台を開こうとしたときに必要になる道路使用許可証みたいなものです。道路使用許可証には特定の場所を使用する目的と許可番号が書かれているはず。
なので屋台にいる人が同じでなくてもその許可証をもっていれば、その許可証で許可されている屋台を営業することができます。
あるいは「やっていいこと(権限)と証明書がセットになっている」という意味ではビザ+パスポートにも似ています。
先ほどご説明したKintone REST APIを使ってkintoneのデータにアクセスする時には実はユーザーの認証情報を暗号化した形でリクエスト(つまり「申請」)と一緒にサーバーに渡しています。
そして特に何も設定せずにkintone JavaScript APIからkintone REST APIを呼び出すとログインユーザーの認証情報を使って認証が行われます。
ですので「kintone JavaScript API」を使う場合、特に設定を変更しない限り、ログインユーザーが閲覧権限のないデータはプログラミングを使っても取得することができませんし、ログインユーザーが編集権限のないアプリのデータをJavaScriptを使って更新することもできません。
一方で、APIトークンの場合はAPIトークンごとにkintoneのデータに対してどの操作を許可するのかをkintoneのアプリごとで設定できます。
つまり特定のユーザーの認証情報がなくてもAPIトークンを使えばAPIを使ってkintoneアプリのデータにアクセスできるということなんです。しかもAPIトークンごとに許可されている操作が決まっています。
「閲覧」しか許可されていないAPIトークンではkintoneアプリのデータの編集はできませんが、「編集」が許可されているAPIトークンではkintoneアプリのレコードを削除する命令を外部からAPIを通して送ることができます。
バイクの免許証ではトラックは運転できませんし、トラベルビザで入国した人は働くことができません。それとと似ています。
そしてユーザーの認証情報が必要ないというのが結構大きなポイントで、kintoneのプラグインや拡張機能サービスでAPIトークンの設定が必要なのはこの利点を活かしたいから。
仮に特定のAさんの認証情報で、あるサービスのAPIの通行証を発行したとしましょう。そうすると問題がいろいろと発生します。まずAさんがパスワードを変更する度に通行書も更新。しかも通行したあと許可される動作の範囲や種類(つまりシステム上の権限)もAさんが持っているkintoneアプリの権限に縛られてしまいます。さらにはAさんが退職したときには別のBさんの認証情報で通行書を再発行する必要が発生します。
これでは運用がとても面倒です。でもAPIトークンはユーザーからは独立しているので、ユーザーの持っている閲覧権限には縛られませんし、ユーザーの異動や退職にも影響されません。
その代わり連携するサービスごとに通行証を発行した上で、サービスごとに権限を設定してあげることができる仕組みがAPIトークン。
ユーザーに縛られないだけでなく、サービスごとにそれぞれの権限つきで通行許可証を発行できるので複数のサービスが同じkintoneアプリと連携していてもトラブルにならないようになっています。
設定画面の「カスタマイズ/サービス連携」の中から「APIトークン」を選択。
「生成する」をクリックすると新しくAPIトークンが発行されます。 この際にアクセス権を設定。
「レコード閲覧」「レコード追加」「レコード編集」「レコード削除」「アプリ管理」
のなかから権限を選びます。
大抵は連携しようとしているプラグインやサービスに「どの権限を有効にする必要があるのか」の情報が載っていますのでその指示通りに設定しましょう。
APIトークンはサービスごとに分けましょう。そのほうが何かあった時に安全だからです。
そして注意したい点がもうひとつ。 少々面倒に感じるかもしれませんが、メモ欄にサービス名を書くなど、何の目的のためのAPIトークンなのかを明記しましょう。
これを忘れると後で何が何だか分からなくなり、使っていないAPIトークンも消すに消せなくなってしまって管理が煩雑になってしまいます。
API連携を使ったカスタマイズの可能性は本当に広いので、頑張ってプログラミングすればびっくりするようなことも実装できてしまうのが凄いところ。
こだわった仕様でも実装できるのがAPIを使ったプログラムによるカスタマイズの利点ですが、一方で開発コストがかかってしまったり、開発後のメンテナンスが大変になったりするのがデメリット。
外注して開発してもらった場合には納品後に細かい仕様変更をお願いするだけでも毎回別途お見積りが発生してしまってスピード感が犠牲になってしまったり、融通の効いた運用ができなくなってしまう可能性もあります。
弊社ロケットスタートホールディングスもiTanto(アイタント)というkintone伴走支援サービスを提供させて頂いていますが、お客様が柔軟に運用できることを何より重視したサポートを目指しています。
そのために、まずはkintoneの基本機能の徹底的な活用のお手伝いをさせて頂いていますが、それでも足りないところはプラグインや拡張機能サービスのご提案をさせていただいています。
プラグインや拡張機能サービスも星の数ほどではないにしても、どれにしたらいいのか迷うくらいには数がたくさんあります。プラグインの選定に迷っておられる方やノーコード運用を死守したい、という方は是非ご相談くださいませ!
kintoneのいいところはプログラムがなくても工夫次第で幅広い運用シーンに適用できるという点なので、そのkintoneの利点も最大限に活かしていきたいものですね。
プログラミングが絶対必要だと思ったというケースでもプラグインや拡張機能サービスを使うことでプログラミングがいらなくなるケースというのも結構あるんです。API連携が必要な場合でもプラグインや拡張機能サービスを使うメリットがあります。
もちろん費用などを総合的に考えたら自前でプログラミングを組んだほうが早いし安いというケースもあるかもしれませんが、属人化を避けるという意味でも一度プラグインや拡張機能サービスのご検討をお勧めしています。
kintoneのカスタマイズについてはこちらの「kintoneのカスタマイズ方法を考えよう」の記事も是非!
とはいえJavaScriptカスタマイズも覚えることができたら鬼に金棒です。kintone JavaScript APIを使いこなすためのヒントをいくつか。
まずは基本の「き」
公式ドキュメントをきちんと読みましょう。少しコツを掴んできた後も、何か分からないことがあればまずは公式ドキュメント(こちらから)。
さらに公式ページには「Cybozu Developers Community」という開発者コミュニティがあって素朴な疑問から高度なプログラミングに関する質問まで幅広く扱われています。
プログラミングしていて壁にぶつかったらまずは開発者コミュニティをのぞいてみましょう。
またkintoneをデータベースとして使おうとした場合には、kintone独特の癖や構造もきちんと押さえておく必要があります。例えばルックアップは外部キーのようでいて実質は外部キーではありませんし、REST API処理でアプリ間をまたがる処理をする際、複数アプリに対する処理を一つのトランザクション処理としてまとめることができません。
詳しくはこちらの「kintone:データベースとしての構造と癖を知ろう!」の記事も是非参考にしてみてください。
APIが一番活躍するのは何といっても便利なプラグインや拡張機能サービスです。アプリ同士の連携の高度な実装が可能なだけではなく、外部サービスとの連携も可能なので、kintoneの利用風景がガラッと変わります。
何よりプラグインや拡張機能サービスの素晴らしいところはAPIの難しい仕組みについて考える必要がないところ。
大抵は連携させたいkintoneアプリでAPIトークン発行してそれをコピペで連携サービスに登録することで連携が完了します。
場合によってはプラグインを使って連携先サービスのAPIトークンをkintone側に設定することも必要になりますが、連携サービス側で丁寧に導入方法が書かれているので、そのまま指示通りに設定できればあとは面倒なことがありません。
ただし、APIトークンを間違って設定するとうまく動作しません。普通はコピペでAPIトークンを設定すると思うのでその際の問題は発生しにくいですが、トラブルが発生するのはひとつのkintoneアプリで複数のAPIトークンを発行している場合。
メモ欄にどのサービスのどの機能用のAPIトークンなのかを書き忘れると設定し直す必要がある場合などにどれを設定したらよいのやら・・・状態になってしまいます。
またAPIトークンが複数ある場合は間違って別のAPIトークンをコピペしてしまう・・・ということも。
しかもAPIトークンは長いので確認も大変。
そこで、確認の際のちょっとしたコツです。APIトークンを全桁比較するのは大変なので、まずは先頭か末尾の4桁だけ覚えます。APIトークンが違う場合は大抵この4桁が違うことが多いです。
で、比較してみてもし一緒なのに動きがおかしかったら今度は先頭と末尾の4桁両方を比較。この二つが両方一緒なのにAPIトークンが違うというケースは結構稀なので手っ取り早く比較するお勧めの方法です。
弊社ロケットスタートホールディングスがkintone APIを使ったカスタマイズでお手伝いさせて頂いた事例をご紹介します。
生命保険や損害保険の代理店業を展開している日本スタンダード株式会社の代表である豊田 清様は、もともと好奇心が旺盛なタイプ。「導入することで、効率的に時間を使えるようになるのであれば」と積極的に新しいものを受け入れ、10年以上前からサイボウズの商品であるGaroonとkintoneを活用していました。
「もっと仕事の“見える化”を進めて協働できる環境をつくりたかった。たとえばスタッフが休みを取っても、お客様からのお問い合わせなどに誰でも対応できるようにしたかった」と語る豊田様ですが、そのためにGaroonからkintoneアプリデータにアクセスしGaroonにタスクの完了状況を表示するようにカスタマイズしました。
詳しくは「DXで実現した業務の“見える化”」をご覧ください!
さてkintoneのAPI連携についてご説明してきましたがいかがだったでしょうか? 実際に使ってみるとかなり奥が深いAPIの世界ですが、まずは「???」な状態から具体的なイメージができる感じになって頂けたら嬉しいです。 kintoneのAPI連携を使いこなす方法のイメージが出来てきたら、活用方法のイメージも膨らませやすいはず。
特にプラグインや拡張機能サービス、外部クラウドサービスとの連携にはかなりのケースでkintone APIが使われています。「kintone APIとは何なのか?」を理解しておけば、外部サービスとの連携イメージもより具体的にもって運用設計をしていけるのではないでしょうか?
kintoneをもっと活用して、使いやすくしたいと思ったら、専門知識を持つプロにぜひ相談してみましょう。
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