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【2025年最新】最低賃金ランキング(都道府県別)|全国平均1,121円

公開日: 2024年08月27日 / 更新日: 2026年03月11日


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【2025年最新】最低賃金ランキング(都道府県別)|全国平均1,121円

2025年(令和7年度)の最低賃金は、全国加重平均で1,121円(前年差+66円)となりました。最低賃金は全国一律ではなく、都道府県ごとに金額・発効日が異なるため、採用や賃金設計では「自社の勤務地の金額」と「いつから適用か」をセットで確認することが大切です。

本記事では、厚生労働省の公表資料に基づき、都道府県別の最低賃金ランキング(全国)を一覧で整理しながら、制度の基本と企業への影響、実務で押さえるポイントをわかりやすくまとめています。

特に、採用や人事を担当されている方が「自社で何を確認しておくべきか」という視点でも整理しています。
※数値は厚生労働省「令和7年度 地域別最低賃金 全国一覧」に基づきます(最終確認は必ず自治体・厚労省公表をご確認ください)。

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最低賃金とは?

最低賃金とは、企業が労働者に支払う賃金の最低額を定めた制度です(最低賃金法)。
実務でまず確認するのは、勤務地の都道府県ごとに決まる「地域別最低賃金」です。
なお最低賃金には、特定の産業に適用される「特定(産業別)最低賃金」もあり、該当する場合は高い方が適用されます。違いは後半で解説します。

【2025年最新】最低賃金ランキング(都道府県別一覧)

令和7年度の最低賃金は、2025年10月以降、都道府県ごとに順次発効されています。
まず押さえておきたいのが、全国最低賃金(全国加重平均)です。

令和7年度は1,121円(改定前1,055円)となり、66円の引上げとなりました。
ただし、最低賃金は全国一律ではなく、都道府県ごとに設定される「地域別最低賃金」制度となっています。
そのため、「最低賃金はいくら?」という疑問に答えるには、全国平均だけでなく、勤務地の都道府県ごとの最低賃金を確認することが大切です。

2025年(令和7年度)の最低賃金を、都道府県別ランキング一覧で整理しました。
厚生労働省「令和7年度 地域別最低賃金 全国一覧」をもとに、金額の高い順でまとめています。

順位 都道府県 2025年度(令和7年) 2024年度(令和6年) 前年からの上昇額
1位 東京 1,226円 1,163円 +63円
2位 神奈川 1,225円 1,162円 +63円
3位 大阪 1,177円 1,114円 +63円
4位 埼玉 1,141円 1,078円 +63円
5位 愛知 1,140円 1,077円 +63円
5位 千葉 1,140円 1,076円 +64円
7位 京都 1,122円 1,058円 +64円
8位 兵庫 1,116円 1,052円 +64円
9位 静岡 1,097円 1,034円 +63円
10位 三重 1,087円 1,023円 +64円
11位 広島 1,085円 1,020円 +65円
12位 滋賀 1,080円 1,017円 +63円
13位 北海道 1,075円 1,010円 +65円
14位 茨城 1,074円 1,005円 +69円
15位 栃木 1,068円 1,004円 +64円
16位 岐阜 1,065円 1,001円 +64円
17位 群馬 1,063円 985円 +78円
18位 富山 1,062円 998円 +64円
19位 長野 1,061円 998円 +63円
20位 福岡 1,057円 992円 +65円
21位 石川 1,054円 984円 +70円
22位 福井 1,053円 984円 +69円
23位 山梨 1,052円 988円 +64円
24位 奈良 1,051円 986円 +65円
25位 新潟 1,050円 985円 +65円
26位 岡山 1,047円 982円 +65円
27位 徳島 1,046円 980円 +66円
28位 和歌山 1,045円 980円 +65円
29位 山口 1,043円 979円 +64円
30位 宮城 1,038円 973円 +65円
31位 香川 1,036円 970円 +66円
32位 大分 1,035円 954円 +81円
33位 熊本 1,034円 952円 +82円
34位 福島 1,033円 955円 +78円
34位 島根 1,033円 962円 +71円
34位 愛媛 1,033円 956円 +77円
37位 山形 1,032円 955円 +77円
38位 岩手 1,031円 952円 +79円
38位 秋田 1,031円 951円 +80円
38位 長崎 1,031円 953円 +78円
41位 鳥取 1,030円 957円 +73円
41位 佐賀 1,030円 956円 +74円
43位 青森 1,029円 953円 +76円
44位 鹿児島 1,026円 953円 +73円
45位 高知 1,023円 952円 +71円
45位 宮崎 1,023円 952円 +71円
45位 沖縄 1,023円 952円 +71円

※同額の場合は同順位としています。
※都道府県により発効日が異なり、群馬県の最低賃金は2026年3月1日、秋田県は2026年3月31日など、年をまたいで発効する地域もあります。

最低賃金ランキング(全国)から見える変化

2025年(令和7年度)の最低賃金ランキングを見ると、日本の賃金環境にいくつかの変化が見えてきます。ここでは大きく2つのポイントを整理してみましょう。


① 全国47都道府県すべてで最低賃金1,000円を突破

2025年度の最低賃金改定では、全国47都道府県すべてで最低賃金が1,000円を超えました。

これまで最低賃金が1,000円を超える地域は、東京都や神奈川県、大阪府などの都市部が中心でした。しかし今回の改定により、全国すべての地域で「最低賃金1,000円以上」の時代に入ったと言えます。

これは日本の賃金環境にとっても大きな節目です。
都市部だけでなく地方でも賃金水準の底上げが進み、全国的に最低賃金の水準が引き上げられていることが分かります。

企業にとっては賃金設計や採用戦略を見直すきっかけにもなり、日本の雇用環境が新しい段階に入っていることを示す出来事と言えるでしょう。


② 都市部と地方の差は依然として存在

ランキングを見ると、東京都・神奈川県・大阪府などの都市部は依然として高い水準となっています。
一方で、地方でも最低賃金の引き上げ幅は大きく、地域差は残りつつも全国的に賃金水準が底上げされている流れが見て取れます。


全国の都道府県別最低賃金を地図で見る

最低賃金は都道府県ごとに設定されているため、日本全体の傾向を把握するには地図で確認するのが分かりやすい方法です。
下の地図では、2025年(令和7年度)の地域別最低賃金を色分けして表示しています。

図1:2025年度(令和7年度)都道府県別 最低賃金マップ(出典:厚生労働省「令和7年度 地域別最低賃金 全国一覧」)

最低賃金は毎年改定されるため、企業が人材採用や賃金設計を考える際には、自社の所在地の最低賃金を定期的に確認することが重要です。

最低賃金引上げ率は過去最高水準へ

最低賃金は、金額だけでなく「引上げ率」においても大きな変化が見られます。
下のグラフは、厚生労働省による全国加重平均における最低賃金の引上げ率の推移を示したものです。

図2:最低賃金引上げ率の推移 全国加重平均(出典:厚生労働省 最低賃金に関するデータ・統計)

2000年代前半には0〜1%台の年も見られましたが、近年は3%を超える上昇が続いています。
そして令和7年度は6.3%と、過去最高水準の引上げ率となりました。
これは一時的な変化ではなく、最低賃金の引上げペースそのものが加速していることを示しています。
つまり、最低賃金は「じわじわ上がるもの」から、明確なスピード感をもって引き上げられる局面に入っていると言えるでしょう。
企業にとってはコスト増という側面もありますが、同時に、賃金設計や採用戦略を見直すタイミングが到来しているとも考えられます。

今回の改定にはもう一つ押さえておくべきポイントがあります。
それが「年またぎ発効」です。

2025年改定特有の注意点「年またぎ発効」とは?

今回の最低賃金改定で押さえておきたいポイントのひとつが、「年またぎ発効」です。
最低賃金は全国一律で同日に改定されるわけではありません。

最低賃金は、中央最低賃金審議会が示す目安をもとに、各都道府県の地方最低賃金審議会で審議され、その後正式に決定されます。
そのため、審議や手続きの進み方によって、都道府県ごとに発効日が異なる仕組みになっています。

多くの地域では10月頃に発効されますが、一部の地域では審議や手続きの関係で翌年に発効するケースもあります。

たとえば、
・群馬県:2026年3月1日発効
・秋田県:2026年3月31日発効
このように、年をまたいで適用されるケースがあるのです。

企業が注意すべきポイント

「改定された」というニュースだけを見て一律対応するのではなく、自社が所在する都道府県の「発効日」を必ず確認することが重要です。

特に、
・複数県で事業を展開している企業
・本社と拠点で都道府県が異なる企業
・派遣・出向など勤務地が変動するケース
では、適用時期の管理が重要になります。

年またぎ発効は、混乱の要因というよりも、地域ごとの事情を反映した柔軟な制度設計の結果とも言えます。正確な情報を把握し、計画的に対応していきましょう。
(出典:厚生労働省「令和7年度 地域別最低賃金 全国一覧」)

地域別最低賃金と特定(産業別)最低賃金の違い

最低賃金には、大きく分けて2つの種類があることをご存じでしょうか。
1つは「地域別最低賃金」、もう1つは「特定(産業別)最低賃金」です。
名前は似ていますが、対象や考え方が異なります。

地域別最低賃金とは

地域別最低賃金は、都道府県ごとに定められる最低賃金です。
その都道府県で働くすべての労働者に適用され、業種や職種を問わず、原則として全員が対象になります。
今回ご紹介しているランキングは、この「地域別最低賃金」に基づくものです。
たとえば、東京都で働く場合は1,226円、大阪府で働く場合は1,177円というように、勤務地によって基準が決まります。

特定(産業別)最低賃金とは

特定(産業別)最低賃金とは、特定の産業で働く労働者に対して設定される最低賃金のことです。
最低賃金には「地域別最低賃金」と「特定(産業別)最低賃金」の2種類があり、
特定最低賃金は、地域別最低賃金よりも高い水準で設定される場合があります。

主に次のような産業で設定されることが多く、都道府県ごとに対象となる業種が定められています。
・製造業
・鉄鋼業
・電子部品関連産業 など

例えば東京都では、次のような産業に対して特定(産業別)最低賃金が設定されています。
・鉄鋼業
・非鉄金属製造業
・電子部品・デバイス・電子回路製造業
・自動車・同附属品製造業 など

このように、特定の産業においては、地域別最低賃金よりも高い最低賃金が適用されるケースがあります。
(出典:連合「特定(産業別)最低賃金とは」)

どちらが優先されるのか?

もし、ある労働者に「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」の両方が該当する場合は、より高い金額が優先されます。
そのため、製造業など特定業種に属する企業は地域別最低賃金だけで判断せず、自社が特定最低賃金の対象かどうかを確認する必要があります。

企業が押さえておくべきポイント

・地域別最低賃金は全員対象
・特定最低賃金は特定業種のみ
・該当する場合は高い方が適用

最低賃金制度は、大きく分けて「地域別最低賃金」と「特定(産業別)最低賃金」となっています。
自社がどの区分に該当するのかを正確に把握することが、リスク管理だけでなく、適切な賃金設計にもつながります。
(参考:厚生労働省「ポイント!最低賃金」)

最低賃金を決める3つの要素とは?

最低賃金は、どのような基準で決められているのでしょうか。
実は、以下の3つの要素をもとに総合的に検討されています。

1.労働者の生計費
2.労働者の賃金
3.企業の賃金の支払い能力

それぞれを詳しく見ていきましょう。

1.労働者の生計費

最低賃金を検討するうえで重要になるのが「物価動向」です。
家賃などを除く総合的な消費者物価指数や、日常的に購入される商品の価格上昇率などが判断材料になります。
総務省統計局の公表によると、2025年平均の総合指数(前年比)は +3.2%となっています。こうした物価上昇(インフレ)が続く局面では、賃金の底上げが進みやすく、最低賃金の改定にも影響が出やすくなります。

図3:消費者物価指数(総合)の推移(出典:総務省統計局「消費者物価指数」2026年(令和8年)1月分)※指数は2020年を100とした水準を示しています。

生活に直結する物価が上昇している中で、賃金水準もそれに見合う形で整備されることが重要になります。
最低賃金は、生活の基盤を支える安心ラインとしての役割も担っています。

2.労働者の賃金

労働者の賃金動向を測るうえで大きな意味を持つのが「春闘」です。
春闘は、毎年労使間で行われる賃金改定の協議であり、全国的な賃上げの方向性を示す重要な指標となっています。
2023年・2024年の春闘は、特に象徴的な動きが見られました。
2022年2月24日にロシアによるウクライナ侵略が開始され、エネルギー価格や原材料費が上昇。
その後、為替変動や世界経済の影響も重なり、日本国内では物価上昇が進みました。

2023年の春闘は、生活水準の維持を目的とした賃上げが中心となり、2024年はさらに一歩進み、「人材確保・成長投資型」の賃上げへとシフトしました。
物価上昇率を上回る賃金水準の確保は、働く人の安心と企業の競争力の両立につながります。

この流れは地域別最低賃金にも反映されており、令和6年度の全国加重平均は1,055円、令和7年度は1,121円(改定前1,055円から66円引上げ)となりました。
内閣官房の「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画(2025年改訂版)」では、2020年代に全国平均1,500円を目指す方針も示されています。

なお、全国平均1,500円といった目標の到達時期は、制度改定や経済状況によって前後する可能性があります。そのため、毎年の改定内容(引上げ額・発効日)を確認しながら、段階的に賃金設計を見直していくことが重要です。

3.企業の賃金の支払い能力

最低賃金の検討では、企業がどこまで賃金を支払えるかという「支払い能力」も重要な要素になります。
この「企業の支払い能力」を考える際の参考指標のひとつが、労働分配率です。
労働分配率とは、企業が生み出した付加価値のうち、どれくらいが人件費として分配されているかを示す指標です。

労働分配率は次の計算式で表されます。

労働分配率(%)= 人件費 ÷ 付加価値 × 100

人件費には、給与・賞与・役員報酬だけでなく、法定福利費や福利厚生費なども含まれます。

この指標は、企業が生み出した付加価値のうち、どれくらいが人件費として分配されているかを示すものです。

下のグラフは、企業規模ごとの労働分配率の推移を示したものです。
(出典:厚生労働省「労働経済の分析(令和7年版)」)

図4:企業規模別の労働分配率の推移(出典:厚生労働省「労働経済の分析(令和7年版)」)

このグラフからは、企業規模が小さいほど労働分配率が高い傾向があることが読み取れます。
つまり、中小企業ほど企業が生み出した価値の中で人件費が占める割合が大きい構造になっています。
そのため、最低賃金が引き上げられた場合でも、企業規模や収益構造によって経営への影響の大きさは異なります。
最低賃金の議論では、こうした企業側の状況も踏まえながら検討が行われています。

特に人材確保が難しい状況では、人件費の負担と人材確保のバランスが企業経営に大きく影響することがあります。
帝国データバンクの「人手不足倒産の動向調査(2025年)」によると、人手不足を要因とする倒産のうち、従業員10人未満の企業が77.0%を占めています。
これは裏を返せば、人材確保が企業経営の持続性を左右する重要なテーマであることを示しています。

最低賃金の上昇は、企業にとって何を意味するのか

最低賃金の引上げは、単なるコスト増という側面だけでなく、企業の採用戦略や組織設計を見直すきっかけにもなります。
賃金水準が全国的に底上げされる中で、「いかに選ばれる企業になるか」という視点が、これまで以上に重要になっています。
人手不足が続く今、最低賃金の動向は経営環境の変化として前向きに捉えることができます。
条件面だけで差別化する時代から、企業の魅力や働きやすさを含めた総合的な設計が求められる時代へと移りつつあります。

実際に、なぜ人手不足がここまで深刻化しているのか、その背景や業界ごとの状況については、「人手不足が深刻な理由と今後の対策:業界ごとに解説」の記事で詳しく整理しています。

また、厳しい採用環境の中でも成果を上げている企業の取り組みや具体的な施策については、「人材確保の方法とアイデア:企業施策と取り組み事例から学ぶ成功のコツ」の記事で紹介しています。

最低賃金の計算方法

採用担当者や人事担当者の方にとって重要なのは、「自社の給与が最低賃金を下回っていないか」を確認することです。

最低賃金法第4条(出典:厚生労働省「最低賃金制度とは」)では、最低賃金額以上の賃金を支払うことが義務づけられています。
万が一、最低賃金を下回る契約があった場合でも、その部分は無効となり、最低賃金額との差額を支払う必要があります。
そのため、改定のタイミングでは一度見直しを行うことが、安心して雇用を続けるための重要なポイントになります。

最低賃金をクリアしているかどうかの確認方法は、時給制・日給制・月給制など給与形態によって異なります。それぞれ順番に見ていきましょう。

最低賃金の対象となる賃金

厚生労働省の「最低賃金の対象となる賃金」では、最低賃金の対象は「毎月支払われる基本的な賃金」と定められています。

※図4:最低賃金の対象となる賃金(出典:厚生労働省)

実際に支払われる賃金から、次の賃金は除外して計算します。

・臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
・1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
・時間外・休日・深夜の割増賃金
・精皆勤手当
・通勤手当
・家族手当

つまり、総支給額ではなく、最低賃金の対象となる賃金で計算します。
この考え方が重要です。
(出典:厚生労働省「最低賃金の対象となる賃金」)

時給制の場合

時給制の場合は、時間給が地域別最低賃金以上であれば問題ありません。

例えば東京都(令和7年度:1,226円)の場合、時給が1,226円以上である必要があります。
ここで注意したいのは、「総支給額 ÷ 労働時間」で計算しないこと。

交通費などは対象外のため、必ず最低賃金の対象となる賃金で確認します。

日給制の場合

日給制は、派遣社員やアルバイトなどで採用されることの多い給与形態です。

日給制の場合は、

日給 ÷ 1日の所定労働時間

で時間あたりの賃金を算出し、それが最低賃金以上であるかを確認します。

例:
・日給10,000円
・所定労働時間8時間
10,000 ÷ 8 = 1,250円
この場合、時給換算は1,250円です。
※所定労働時間には休憩時間は含まれません。

また、月単位で支給される手当がある場合は、1か月の手当 ÷ 月平均所定労働時間で時間単価に換算して合算します。

月給制の場合

月給制の場合は、

月給 ÷ 月平均所定労働時間

で計算します。
ここでの「月給」には注意が必要です。

通勤手当、時間外手当、深夜手当、扶養手当などは固定支給であっても除外しますが、資格手当や職務手当などは含まれます。

具体例
Aさんの3月の内訳が以下の通りだったとします。
•    基本給:200,000円
•    職務手当:50,000円
•    通勤手当:10,000円
•    残業代:20,000円
•    皆勤手当:5,000円
合計:285,000円

最低賃金の対象外となる通勤手当・残業代・皆勤手当を除外すると、
200,000円 + 50,000円 =250,000円
が対象となる賃金です。
賞与も対象外です。

仮に年間所定労働日数が250日、1日8時間勤務の場合、
(250,000円 × 12か月)÷(250日 × 8時間)= 1,500円
Aさんの時給換算は1,500円となります。
東京都の最低賃金(1,226円)を上回っているため、基準を満たしています。

定期的な確認が、安心経営につながる

月給制の場合、最低賃金の対象外となる手当を含めて計算してしまうと、実際よりも時給換算額が高く見えてしまうことがあります。

そのため、最低賃金改定のタイミングで一度計算方法を確認しておくことが、従業員にとっても企業にとっても安心につながります。

会社所在地と従業員の住所が異なる場合、どちらの最低賃金が適用される?

最低賃金は、労働者が所属する事業場の所在地を基準に適用されるのが原則です。
日本の最低賃金は都道府県ごとに設定される「地域別最低賃金」であり、通常は労働者が勤務する事業場の所在地の最低賃金が適用されます。

例えば、
・会社所在地:東京都 
・勤務している事業場:埼玉県

この場合、適用されるのは埼玉県の最低賃金です。

近年はテレワークや在宅勤務も増えていますが、その場合でも基本的には所属する事業場の所在地を基準に判断されるケースが多いとされています。

ただし、働く場所の実態によって扱いが異なる場合もあるため、複数地域で勤務するケースでは個別の確認が必要になることもあります。

(参考:厚生労働省・総務省「テレワーク総合ポータルサイト Q&A」)

最低賃金が上がるとどうなる?

最低賃金の引上げは、企業の経営や採用にさまざまな変化をもたらします。
主な影響は、次の3つに整理できます。

・人件費水準が全体的に上がる
・扶養内勤務を希望する方の働き方に変化が生まれる可能性がある
・社内の賃金バランスを見直すきっかけになる

令和7年度の全国加重平均は1,121円。
前年の1,055円から66円引き上げられました。
この変化が事業にどの程度影響するのか、簡単なモデルで見てみましょう。

人件費への影響イメージ

最低賃金が引き上げられると、企業の人件費にも一定の影響が生まれます。
その規模感をイメージするために、最低賃金が約50円程度引き上げられた場合を想定して、簡単なモデルで試算してみます。

パート・アルバイトを100名雇用しているケースで考えます。
■週15時間勤務(月60時間)の場合
年間で約360万円の人件費増
■フルタイム(月176時間)の場合
年間で約1,056万円の人件費増

規模によっては決して小さくない変化ですが、これは全国的に賃金水準が底上げされている流れの一部でもあります。
こうした影響を正しく理解することが、採用や賃金設計を考えるうえでの出発点になります。

採用環境にも変化が生まれる

最低賃金の引上げによって賃金水準が全国的に底上げされると、給与だけで企業を差別化することは難しくなります。

そのため、これからの採用では

・どんな仕事に挑戦できるのか
・どんな成長環境があるのか
・どんな価値観の会社なのか

といった企業の「らしさ」や強みが、採用力を左右する重要な要素になります。

最低賃金を基準に毎年対応を繰り返すのではなく、「人をコストではなく価値創出の源泉として捉える」視点が、これからますます重要になっていくと言えるでしょう。

賃金引上げだけではない打ち手や、実際の採用改善事例については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
実際の事例や打ち手を読む

また、採用コストの相場や最適化の考え方については、「新卒・中途一人当たりの採用コスト:相場と削減方法を徹底解説」で解説しています。

全国的な人手不足もこうした状況を生み出す大きな要因となっています。「人手不足が深刻な理由と今後の対策:業界ごとに解説」の記事では人手不足について詳しく扱いましたので参考にしてください。

さらに、人手不足のなかでも確実に人材を確保するためのアイディアについてはこちらの「人材確保の方法とアイデア:企業施策と取り組み事例から学ぶ成功のコツ」の記事なかで解説しました。

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賃金が上がることによるプラスの効用

令和7年度の全国加重平均は1,121円となり、最低賃金は着実に引き上げられています。
この動きは企業にとって変化を伴うものですが、同時に前向きな効果も生み出します。
主なプラスの側面は、次の通りです。

・採用市場での競争力が高まる
・応募者層の拡大や質の向上が期待できる
・企業の信頼性・安定性の向上につながる
・従業員のエンゲージメント向上
・生産性・付加価値の向上

賃金は単なる支出ではなく、企業の成長を支える人的資本への投資という側面も持っています。
適正な賃金設計は、企業価値を高める基盤のひとつです。

採用戦略との接続

賃金水準が全国的に底上げされる中で、最低賃金は差別化要素ではなく基準値になります。
そのため、採用で重要になるのは次の3点です。

1.誰を採用するのか
2.なぜその人材が必要なのか
3.採用後にどのような価値を生み出してほしいのか

これらが明確であれば、賃金上昇は単なるコスト増ではなく、戦略的な人的投資として位置づけることができます。

最低賃金の上昇に合わせて、採用戦略を見直してみませんか?

賃金水準が全国的に底上げされる中で、企業が選ばれる理由は「給与」だけではなくなりつつあります。

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